流れ星

ショートストーリー 流れ星

「ああ、しまった!」
神様は、サンタクロースに渡そうとした3つの“願い星”のひとつを、
うっかり取り落としてしまった。

“願い星”というのは、神様が1年に3つだけ作る人間への贈り物で、
毎年クリスマスイブの夜、サンタクロースに託して地上に届けることになっている。

この“願い星”をもらえるのは、その1年間をもっとも美しい心で過ごしたと
神様が認めた3人の人間。

サンタクロースは、子供たちにプレゼントを配るついでに、
この“願い星”を選ばれた人間の頭の上に降らせる。

本人には知らされないが、この“願い星”が頭上に降ってきた時、
その人間が一番強く願っていることが、何でも叶うことになっている。

この“願い星”のおかげで、ハンバーガーをおなか一杯食べた人もいれば、
忘れ物を取りに戻ってもパーティーに遅れずに済んだ人もいるし、
初恋の相手にバッタリ会った人もいる。

人が普段一番強く願っていることというのは、案外身近で小さなことだったりするのだ。

それでも中にはベルリンの壁の崩壊や、拉致監禁からの生還などを叶えた願い星もあった。
もっとも、それだって、“願い星”が降った人間は、壁や海の向こうにいる大切な人に
もう一度会いたいと強く願っていただけなのだけれど。

さっき神様がついうっかり取り落としてしまった“願い星”は、ゆっくり
と煌きながら人間界まで落ちていった。

本来ならば、神様の選んだ美しい心で過ごした人の上に降るはずの“願い星”が、
今年は冬の空を漂って、どんな人の上に降るのかまったくわからなくなってしまった。

クリスマスイブの夜、もしあなたが一粒の宝石のように美しい流れ星を見て、
その後、なぜか突然願いごとが叶ったら、空の高いところに向かって、神様にお礼を言って欲しい。

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