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29.揺れる想い

エッセイ 揺れる思い

独りでお風呂に入った娘が、今日はなかなか上がってきません。

心配になって、見に行こうと思ったとき、頬をピンク色に染めた娘が、
滴を垂らしながら上がってきました。

パジャマに着替え終わった娘に、「今日はどうしてこんなにゆっくり入っていたの?」と訪ねると、
ピンクの頬をさらに染めて、「あのね、こうきとだいちくんとどっちが一番好きか考えてたの」
と答えました。(^-^;.アハハ…

そこで、「で、結局どっちが一番好きだったの?」と聞くと、
「うんとね、イッパイ考えたけど、わかんなかったの。」という返事。

なるほど、それで、こんなにお風呂が長かったのね。(笑)

思わずこみ上げてくる笑いを堪えながら、娘の顔を覗き込んで、こんなふうに言ってみました。
「きっと、どっちも一番好きなのよ」

すると、娘は、暗雲が晴れたように、さっぱりとした顔をして、
「そうだよね!どっちも一番好きだもんね」と嬉しそうに言いました。

娘を悩ませて、長風呂をさせた二人の男性は、幼稚園時代からずっと好きでいるこうきくんと、
小学校で同じクラスになって、最近俄然気になりはじめた、だいちくんです。

でも、なぜ、今日に限ってそんなにも悩んでしまったのかと思っていたら、その後娘が言いました。

「ママ、明日ね、だいちくんが放課になったら一緒に遊ぼうって言ったの」

ははーん、なるほど。

どんなに積極的にアタックしても、男の子同士で遊ぶ方が良くて娘につれなかったこうきくんに比べ、
だいちくんの方は、女の子と遊ぶこともあまり嫌いではないようです。

で、あれだけ一途だった娘の心も、少し揺れてしまったのでしょう。

揺れる恋心に悩む娘を、これからも見守っていってあげよう、と決めました。

そして、後日談。

「放課に遊ぼうね」と約束しただいちくんは、流行の風邪にかかってしまって、
翌日からの数日間、学校をお休みしました。

その後土日が挟まれたりして、会えない時間は長くなり、
約束は棚上げのまま、今だに実行されていないようです。

そして、こうきくんに会えることを楽しみにしていた幼稚園の同窓会。

園につくなり必死で探したこうきくんも、どういう事情かお休みで、
とうとう会うことは叶いませんでした。(^.^;…

めげるな、あやちゃん!

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