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31.朝の儀式

エッセイ 朝の儀式

「行ってきまーす!」
今日も元気に歩き出した娘の後ろ姿を見送りながら、
ふと、去年の春を思い出しました。

「行ってきまーす!」と玄関を出て行く娘は、一年生になったばかり。
体がみんな隠れてしまうくらい大きなランドセルを背負って、
ひょこひょこと何歩か歩くと、くるりとこちらを振り返り、
「ママ~行ってきまーす!」ともう一度叫びます。

さらに、ひょこひょこと5、6歩行くと、また立ち止まって振り返り、
「ママ~!」と大声で叫びながら、投げキッスを飛ばすので、
私は、なかなか部屋に引っ込むことができません。

娘は振り返っても玄関が見えなくなる曲がり角まで、
何度も「行ってきます」と「投げキッス」を繰り返すと、
にっこり笑って手を振って、ようやく前だけを見て歩きだします。

夕方にはまた会えるというのに、なんとも大げさな別れの挨拶です。(笑)
新婚夫婦でも、これほど熱烈な見送りはしないでしょう。
相手をする私も私で、まったく、親バカ全開です。^-^;
けれど、この儀式のような見送りは、いつしか毎朝の習慣になりました。

前日に夜更かしをしてなかなか起きられなくて、
まだ半分目をつぶっているような日も、
朝からパパやママに叱られて、べそをかいているような日も、
この見送りの儀式の後には、ちゃんとにっこりして、顔を上げて歩きだしました。

レインコートを着込んだ雨の日も、強い日差しが照りつける夏の日も、
手袋とマフラーを着けた冬の日も、赤い大きなランドセルを背負って、
「行ってきまーす!」ひょこひょこ、チュ!

この春からは二年生になる娘。
背負い慣れてきたランドセルが、少し小さく感じます。

それでも、やっぱり、ひょこひょこと歩いて行った曲がり角で立ち止まると、
私の方を振り返り、「ママ~行ってきまーす!チュッ」と、熱烈投げキッス。

そして私は玄関のドアを閉めながら、やっぱり娘は可愛いなー、と
思わず微笑んでしまうのです。
親バカぶりは、一年たっても、いっこうに衰えません。(笑)

この楽しい朝の習慣を、娘はいつまで続けてくれるでしょう?
いつのまにか、「朝の儀式」を楽しみにしているのは、
私の方になってしまったようです。

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