ずいぶん幼いときから、娘の好みや行動はちょっと個性的で、
それが、周りの大人たちの笑いを誘うことがしばしばありました。

そんな娘の将来を想像した私の親しい友人達は、
「あやちゃんって、妙な絵を描く彼氏かなんか連れてきて、
『私にはこの人の才能がわかるの!』とか言いそうだよねー」
と笑いながら言っていたことがありました。

確かに、娘が将来選ぶパートナーを想像するとき思い浮かぶのは、
エリートサラリーマンでも、お医者様でも、弁護士でもなく、
なにか娘にだけしかわからないような魅力を持った男性のような気がします。

先日、そんな娘をたずねて、我が家に、はじめて男の子が一人で遊びにきました。

なかなかハンサムな少年です。

でかした!と心の中で叫びつつ、迎え入れた彼が発した第一声は…
「あやちゃんのママ、エアコンのリモコン、描いてもいい?」 でした。

え??
エアコンのリモコン?描く?

不思議な質問を理解できず、返答に戸惑っていると、彼は、
「ぼくね、電化製品がとても好きなの、中でもエアコンが好きで…」
と補足説明をはじめました。

なんでも、彼は将来電気屋さんになりたいほど電化製品が好きらしく、
中でも、室外機とリモコンのあるエアコンは特に好きで、
あまり好きなので、その絵(リモコンやエアコン本体)を描きたくなってしまうのだそう。

自宅にあるものについては、見なくても描けるほど何度も描いているため、
今度はお友達の家(この日は我が家)のエアコン本体やリモコンの絵も描きたいのだとか。

変わった趣味です。(^-^;…

しかも、彼は、我が家の室外機の設置場所や数を熟知しており、
「あの室外機の分の本体とリモコンはどれ?」とか、
「リモコンが一つ足りないけど、どうしたの?」と質問を続けるのです。

全ての質問に答え、紙とペンを渡すと、嬉しそうな顔をして、
おやつを食べるのもそこそこに、娘と並んで「リモコン」の絵を描き始めました。

びっくりするほど素早く詳細にリモコンの絵を描く彼を、
うっとりとした眼差しで見ている娘を眺めながら、
友人達の想像は、当たっているかもしれない、と苦笑してしまいました。

ちなみに、7歳の誕生日を迎えたばかりの彼が、プレゼントに両親から買ってもらった品物は、
「本物のレジスター」だったとか。

興奮気味に話す娘の瞳に、「恋心」が宿っていたように感じた私は
娘の将来に、おおいなる期待と不安を抱かずにはいられませんでした。(笑)