フォローする

カテゴリー

ハロウィンっぽいキャラ弁と秋の夜長にぴったりなちょっぴり怖いショートストーリーのハロウィン特集!

ハロウィン, ブログ

ハロウィンが近いので、ここしばらくハロウィンにちなんだ記事をアップしています。

ショートストーリーも、ハロウィンっぽいお話を掲載しているので、
そのイメージに合うアイキャッチ画像を選んでいます。

契約している画像サイトで、ショートストーリーのイメージに合うキーワードを入れて検索すれば、
たちどころ候補の画像がたくさんピックアップされるのはいいのですが……

昨日アップしたショートストリー『エスカレート』に使う画像を探そうとして「ハロウィン 傷」とか、「ハロウィン 仮装 血」などと検索したら、怖すぎる画像が目白押し。

画像サイトFotolia https://jp.fotolia.com/より
画像サイトFotolia https://jp.fotolia.com/より

ショートストーリーでは、最近の仮装はリアルすぎるとか、ホラーネタが人気と、勝手な想像で書いているのですが、本当に、リアルでホラーな仮装ができる時代なのですね。

怖いくせに興味も惹かれて、しげしげと見ているうちに、怖すぎて泣きたくなってしまいました。

年齢のせいか、最近、ちょっとした刺激ですぐ涙がでます。^^;

ここまで読んでくださったあなたにも、怖い画像をお見せしてしまってごめんなさい。

このまま眠って悪い夢を見ないように、最後はかわいいハロウィン画像で気分転換してくださいね。
Happy Halloween!

ハッピーハロウィン

ショートストーリー, ハロウィン, ベリーショートストーリー

「10月最後の金曜かぁ……今夜も多くなりそうだな」

「ああ、年々エスカレートしているからなぁ」

勤務を控えた男たちは、大きなため息をついた。

仮装した大人たちが夜の繁華街に集うハロウィンは、
今やクリスマスのツリー並みに定着している。

大手レジャー施設が仕掛けた「ハロウィンホラーナイト」の影響で、
ここ数年は怖い仮装がトレンドだ。

手や顔に切り傷や火傷痕をつけた程度の仮装はまだ可愛いもので、
目の玉が飛び出ていたり、斧が頭に刺さっていたり、
皮膚が溶けて骨が見えていたりする者も少なくない。

もちろん、男たちだって、仮装して楽しむことを非難するつもりはない。

ただ、本物らしさの追求は、もういい加減にしてほしい。

年々高くなるメイクと仮装の技術は、もはや本物と見分けがつかないレベルだ。

トゥルル……

受話器を取って耳にあてると、中年女性のうわずった声が響いた。

「もしもし!女の人が刺されて倒れています!胸が血だらけで……」

ほらきた、まただ。

男たちが勤務する県警本部地域部通信指令課(110番受付)には、
ハロウィンが終わるまで、刺された女や切られた男の通報が絶え間なく続く。

お願いだからその仮装姿のまま酔いつぶれるのはやめてくれ!


このショートストーリーは、大阪の時計店【ウオッチコレ】メールマガジン『ブリリアントタイム』に掲載されています。

ショートストーリー, ハロウィン, 秘密

書けない。どうしても、書けない。

前作まではキーボードを打つ指のスピードがもどかしいほど、
次から次へと言葉があふれてきたというのに。

男は、ふうっと大きなため息をつくと、
何時間も座りっぱなしだった椅子から立ち上がろうとした。

ピコン。

その時、着信音が鳴り、モニターの隅に
男のSNSアカウントに届いたメッセージが表示された。

人気作家である男には20万人を超えるフォロワーがいるが、
男がフォローしているのは十数名だけだ。

ほとんどは、オフラインでも付き合いの深い友人知人だが、
ひとりだけ、実際には会ったことのない人物がいた。

アカウント名はPhantomで、年齢も性別も分からない。

男がなぜそんな奴をフォローしているのかと言えば、
たまたま見かけたそいつの投稿があまりにも興味深かったからだ。

友達の少ない奴なのか、フォロワーは男を入れて3人だけで、
フォロー数も10に満たない。

男以外の2人のアカウントは長く動いている様子がないから、
実質的にPhantomの投稿を読んでいるのは、男だけだと言っていい。

メッセージは、そのPhantomからだった。

推理小説のトリックを考えついたので見てほしいというのだ。

男がフォローするほどPhantomに興味を持ったのは、
Phantomがいくつものトリックアイデアを投稿していて、
それがなかなか良くできていたからだ。

Phantomはミステリー好きか、小説家志望なのだろう。

トリックのネタならば、いつものように投稿すれば良いのに、
どうしてわざわざダイレクトメッセージを送ってきたのだろう?

不思議に思いながらも、気分転換になるだろうと思い、男は了承のメッセージを返した。

すると、メッセージ添付で送られてきたのは、
ちょっとした小説並みの量があるテキストファイルだった。

テキストを読み終えた男は、気分を落ち着けるために
深呼吸をしなければならなかった。

Phantomの原稿が予想外に素晴らしくて動揺したのだ。

もちろん、文章は未熟で構成にも甘さがある。

しかし、核となる殺人のトリックには目を見張るものがあった。

緻密な計算と周到な準備に、いくつかの偶然が重ならなければ成しえない殺人ではあるけれど、
ストーリーには整合性があって、リアリティがもの凄い。

殺される3人の男たちの心理描写も秀逸だ。

男はすぐPhantomにメッセージを送り、原稿を編集者に見てもらうよう勧めた。

なんなら男と親しい編集者を紹介してやっても良い。

ところが、Phantomは思いがけないことを申し出た。

このトリックを使って推理小説を書いて欲しいというのだ。

Phantomは、自分が思いついた最高のトリックを
どうしても世に出したいので、男に協力してほしいと懇願した。

もちろん、男は断った。

今は少々スランプだが、素人の考えたトリックで書くなんて
プロとしてのプライドが許さない。

しかし、いっこうに抜け出せないスランプと、
毎日メッセージを送ってきては懇願し続けるPhantomの根気に負けて、書くことを約束した。

Phantomの原案に男の筆が加わった推理小説は、
男の作品の中でも最高と言える出来栄えだった。

原稿を読んだ担当編集者が興奮して絶賛する声を聞きながら、
男の頭には「ゴーストライター」という言葉がよぎった。

出来上がった作品をデータでPhantomにも送って見返りを尋ねたが、
ただ礼を言うばかりで何も要求しなかった。

そして、それきり、Phantomは返信をよこさなくなった。

SNSへの投稿もその日から途絶えたままだ。

出版された小説は、瞬く間にベストセラーとなり、男の最高傑作と評された。

推理小説家として益々人気を高めた男は、スランプからも脱出し、次回作に取り組み始めた。

Phantomと連絡を取ろうと、男は人を雇って調べさせたりもしたが、
結局、Phantomを探し出すことはできなかった。

******

「便利な時代になったもんだよな」

Phantomが仲間に話しかける。

「本当に。誰でもネットで表現活動できるんだからな」

仲間が感心したように言う。

「それにしても、あの小説家、やっぱり凄いな。
これだけ本が売れれば、関係者の誰かが読んで、あの事件の真相に気づくのも時間の問題だ」

Phantomがそう言うと、もう一人の仲間が心配そうに口を開いた。

「あの小説家が疑われたりしないか?」

「大丈夫さ、事件が起きたとき、あの小説家はまだ小学生だ。
いくら小説でトリックを暴いて、事件を詳細に描写していたって疑われることはないよ。
本人はちょっと驚くだろうけど……」

Phantomは笑いながら言う。

「俺たち、もうすぐ見つけてもらえるんだよな?」

仲間が不安そうに尋ねた。

「ああ、きっともうすぐだ。」

白骨になって久しいPhantomが、暗い土の中できっぱりと言った。


このショートストーリーは、大阪の時計店【ウオッチコレ】メールマガジン『ブリリアントタイム』に掲載されています。

ショートストーリー, ハロウィン, 世にも奇妙な物語, 怖い話

※この作品は、『怖い話』の続編です。ぜひ、あわせてお楽しみください。

駅で拾ったタクシーの運転手は、感心するほど礼儀正しく、
車内は清掃が行き届いていた。

こんな田舎の駅でも、いい運転手がいるものなのか。
いや、こんな田舎の駅だからこそ、いい運転手がいるのかもしれない。

俺は、これまでに何度も当たってしまった、たばこ臭い車や、
横柄な態度の運転手を思い出していた。

礼儀正しい運転手は、また運転テクニックも上級で、
振動を感じない静かな車内で、心地よく流れるBGMを聞きながら
すっかりくつろいだ気分になっていた。

昔の女にバッタリ会って、冷や汗をかいた出来事も、
こうして上手くかわした今は、もう過去になりつつある。

清潔なシートに身をゆだね、またうとうとしかかった瞬間、
キキーッという音がして、突然ガクンと身体が揺れた。

何事かと思ったら、フロントグラスの向こうに、
髪の長い女の姿があった。

白っぽい服を着て、雨などもう降っていないのに
なぜか全身がずぶ濡れだ。

「……!!」

あちらの世界からやってきたようにしか見えない女の様子に、
声にならない声が漏れた。

だが待てよ。良く考えてみれば、運転手は急ブレーキを踏んでいる。

……ということは、あの髪の長い女は運転手にもはっきりと見えている
ということだ。

つまり、女は普通の人間に違いない。
少なくとも、この気味の悪い女を見ているのは、俺一人ではない。

ところが……

運転手はブレーキを踏んだまま動こうとしない。

その上、肩を小刻みに震わせている。

「運転手さん、大丈夫ですか?」

俺も怖いが、俺以上に怖がっている運転手に声をかけると、
か細い声でこう答えた。

「お客さん、お迎えが来てしまいました。
ここから先には行けませんよ……」

「何を言ってるんですか?!」

こんなところで放り出されてはたまらない。

後部座席から身体を乗りだして運転手の肩を揺さぶった。

肩を揺さぶりながら、ふと目に入った運転手の身分証には、、
“田中正道”という名前が書かれていた。

「!!!」

その瞬間、昔聞いて、すっかり忘れていた噂がフラッシュバックした。

俺が清算した女が入水自殺したとかしないとかいう噂だ。

当時は「そんなバカな」と笑って聞き流した噂だったが、もしかして……

顔を上げると、髪の長いずぶ濡れの女が、俺の顔を見つめていた。

ふっくらとした唇が、「さあ一緒に行きましょう」と動いて、
細い指輪をはめた白い左手を、にゅっとこちらに差し出した。

「ぎゃああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ………」


このショートストーリーは、大阪の時計店【ウオッチコレ】メールマガジン『ブリリアントタイム』に掲載されています。

ショートストーリー, ハロウィン, 世にも奇妙な物語, 怖い話

「昨日の雨、本当にすごかったわね。あなたが居なくて怖かったわ。」

可愛く怯える妻は5つ年下で、結婚して3年が経つ。

昨夜は大雨のせいで電車のダイヤも大幅に乱れていた。

「電車も止まっていたし、タクシーもつかまらなくてね……
一人で過ごさせてしまって本当に悪かった」

俺は妻を抱き寄せて優しく言った。

実は、深夜まで他の女の家に居たことになど、
妻はもちろん気付いていない。

《この集中豪雨でタクシー運転手田中正道さん56歳が……》

テレビは、隣町で大雨の犠牲となった不運な人の名を告げていたが、
窓の外には青空が広がり、夏を謳歌するセミの合唱が聞こえている。

「大切な商談があるから今夜も遅くなるよ。」

玄関で手を振る妻にそう告げて家を出た。

商談を成功させ、女の子のいる店で同僚と祝杯をあげ、
明日が早いからという同僚に付き合って店を出た。

「たまには真っ直ぐ帰ってやるか。」

電車に乗って少しうとうとし、はっと気づくと
隣に髪の長い女が座って、同じように居眠りをしていた。

頭を俺の肩にもたせかけて、
開いた襟から白い胸元がのぞいている。

柔らかそうな膨らみが寝息と共に上下して、
ときおり、小さな吐息を漏らす。

頬は赤く染まっているから、少し酔っているのだろう。

うつむき加減の顔に長い髪がかかっているため、
女が美人かどうかはよくわからない。

ただ、女のふっくらとした唇は俺好みで、
女の触れている左側からは、甘い熱が伝わってくる。

「ううん……」と言って女が少し体を動かすと、
豊な膨らみが左腕に当たった。

悪い気はしない。

終点まで乗って行ったところで、どうせそれほど遠くはないから、
タクシーを拾えばいい。

俺は女が起きるまで、この感触を楽しむことにした。

本来であれば下りるべき駅を過ぎ、次の駅が近づいた時、
女が突然顔を上げた。

ゆっくりと目を開いた女は、俺の顔を見てにっこり笑った。

「お久しぶりね」

見覚えのある目は、専務の娘である妻との婚約が決まった時、
清算した女のうちの一人だった。

当時はもっと短い髪だった。

驚く俺に、彼女は続けた。

「あなたが迎えに来てくれるのを、ずっと待っていたのよ」

そう言いながら差し出した左手の薬指には、昔贈った細い指輪が
まだそのままはめられていた。

彼女との関係は、きちんと清算したはずではなかったか?
まさか、俺の結婚を知らなかったのだろうか?

俺は昔の記憶を辿ったが、混乱していて思い出せない。

「ねえ、私たちいつ結婚できるの?」

ほろ酔い気分はすっかり冷めて、嫌な汗が背中を伝った。

……男にとって、これ以上怖い話などあるだろうか?

続編の『タクシー運転手』もぜひあわせてお読みください。


このショートストーリーは、大阪の時計店【ウオッチコレ】メールマガジン『ブリリアントタイム』に掲載されています。

ショートストーリー, ハロウィン, 世にも奇妙な物語

その店は、住宅街の奥の路地裏にひっそりと建っていた。

入口の洒落たドアには、金色の文字で店の名前が書かれている。

昨日、飲み屋で意気投合した男が教えてくれた店だ。

男が言っていたあり得ない話の真偽を確かめるため、
今日は仕事を早々に切り上げてやってきた。

ずいぶんわかりにくい場所だったが、確かに店はあった。
だが、まだ、男の話が本当だと決まったわけではない。

恐る恐るドアを開けると、「いらっしゃいませ」という声がした。
女だったら惚れてしまいそうな低く魅力的な声だ。

カウンターに腰かけると、端正な顔立ちのマスターに、
「何になさいますか」と訊ねられた。

喉がカラカラだったのでビールを注文し、ぐっと一杯のみ干して、
ようやく人心地がついた。

落ち着いて店内を見回すと、客は俺一人だ。

趣味の良い内装だが特別高級というわけでもない、
どこにでもありそうな普通のバーだ。

2杯目のビールをちびちびと飲みながら、
俺はどうやって確かめようかと考えを巡らせた。

本当に、ここは男が言っていたような店なのか?

3杯目のビールグラスを空にして、やっとマスターに話しかけた。

「あのう……」

ちょうどその時、さっきまでダンディでクールだったマスターが、
突然オネエ言葉でまくしたてた。

「ああ!もう我慢できないっ!アンタも仲間なんでしょう?
最初からずっと待ってたのに、ちっとも切り出さないんだからぁ!
明日仲間が行くからよろしくって電話貰ってたから知ってたのよぉ」

そう言いながら頬の肉をグイッと引っ張ると、
端正な顔立ちのマスクが外れて、
ただれた皮膚と眼球の落ちかけた目が現れた。

俺は思わず立ち上がって、「マスター!?」と叫んだ。

「大丈夫よ!今日は特別な日なんだから、本当の姿を見せてもいいの」

眼球が留まっている方の目を閉じてウインクをすると、
手を伸ばして俺の髪を鷲づかみにし、頭の皮をずるりと引きはがした。

俺の頭がふっと軽くなって、半分むき出しになった頭がい骨と、
ぱっくりと割れて血が固まりかけた額の大きな傷が現れた。

「それより、早く街に繰り出しましょうよ!」

そうか!その言葉で俺はようやく、今日が何の日だったか気付いて、
マスターと顔を見合わせながら、あの合言葉を言った。

「Trick or Treat!」
「Trick or Treat!」


このショートストーリーは、大阪の時計店【ウオッチコレ】メールマガジン『ブリリアントタイム』に掲載されています。