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3月の終わりごろから、Virtualライブ配信アプリの「REALITY 」にハマっています。

REALITYは、スマホで簡単に登録できるアプリで、あらかじめ用意されたパーツを組み合わせて自分の分身になるアバターを作って動かせるツールです。

利用者は、好みの顔や体に好きな衣装を着せたアバター姿でライブ配信をしたり、誰かのライブ配信を見に行ったりして楽しみます。

これまで、ずっと、いろんな配信者さんを見に行くばかりだった私ですが、先日、とうとう、コラボ配信に参加しました。

初コラボさせていただいたのは、REALITYの大人気配信者さとりちゃん(女子高生17歳設定のミュージシャン男性)。

さとりちゃんのMC力のおかげで、楽しい初コラボが叶いました♪

歌が素敵な故太郎くんのところで、人狼ゲームに参加して、オオカミかぶれたのも面白かったなぁ。

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自宅裏の道路との境目にあるコンクリートブロックです。

実は、先週、このコンクリートブロックに躓いて……

血がっ!!

こんなことになってしまいました。

あのかどっこのところで、ズリ~っと滑ったのです。

寒い朝にゴミ出しをして、両手を『グランメゾン東京』のキムタクみたいに両脇につっこんだまま、ブロックの向うに行こうとして。

ジーンズをはいていてこのケガですから、もし、生足だったら……と思うとゾッとします。

ものすごく痛くて、ひとしきり呻いたあと、血を洗って、改めて足を見て、はたと困ってしまいました。

こんなにも血が出るケガをしたことがなかったから。

そうだ!と気づいてFacebookに写真をアップし、つながっている友人たちに、「これどうしたらよいでしょう?」とアドバイスを求めました。

すると、コメントやDMで、たくさんアドバイスをいただけたので、応急処置をして、その日の仕事を続行。

夕方時間ができたので、勧める人が多かったキズパワーパッドを買おうと薬局に行って、薬剤師さんに足を見せると……

ぎょっとした顔で、

「ダメです!そんな大きな傷に貼る絆創膏はありません!あれは、もっと小さな傷用です。すぐに医者に行ってください。きちんと消毒しないと菌が入ったら大変なことになります!」

と叱られてしまいました。

綺麗に洗ったつもりだった血が、またデロデロと出てきていて、周りが若干腫れていたりしたせいも、あったかもしれません。

プロの方に、大変なことになります!なんて言われて怖くなって、すぐに病院に行ってみたら……

包帯ぐるぐる

大けがをした人みたいにされてしまいました。💦

痛み止め&抗生剤

痛み止めと、化膿止めもいただきました。

そして、私は、ケガしてすごく痛かったけど……

これ、ネタになる!とほくそ笑んでしまったのです。

問診の後、レントゲンを撮られ、看護師さんが丁寧に消毒して薬を塗り、包帯を巻いてくれて、お医者さんが言いました。

「脛は筋肉が少ないから、なかなか治りません。消毒と薬を出しておきますが、しばらく通ってください」

ええ?! そんな大ごとなの? と驚いた私でしたが、実は……

この続きは、ぜひ、12月6日配信の『ブリリアントタイム』をぜひ、ご覧ください♪

もしも、あなたが、同じようなケガをしてしまったときにも役立つかも?!

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何年か前に自分の文章を診断したとき、私の文章が一番似ている作家さんの名前に
「太宰治」が表示され、気を良くしたことがありました。

メルマガを書きながら、ふとそのことを思い出し、先回のメルマガの文章を入れて、
もう一度診断してみたら、今度は太宰のダの字も出てきません。

おまけに丹精な文章を書く作家さんには全く似ていないこともわかりました。💦

そして、私の文章は、やや長くてやや硬いのだそうです。💦

表現力がとても豊かで、とても個性的というところが、プロとして一応の面目躍如というところでしょうか。

読みやすく、女性らしい柔らかさのある文章を目指して、精進したいと思います。

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筋トレを始めた今年の春から、食べる物にもずいぶん気を遣うようになって、インスタント食品はほとんど口にしなくなりました。

デザートやおやつも、量ではなく質にこだわり、上質で美味しいものを少しだけ食べるよう心掛けています。 甘いお菓子を食べる量も去年よりうんと減りました。

ところが、1つだけ、食べ始めると止まらなくなるヤバいお菓子があります。

それが、「雪の宿」というおせんべい。

一袋2枚入りで、やわらかめの塩せんべいに、薄く積もった雪を模した砂糖衣がかかっているおせんべいです。

塩と砂糖のあまじょっぱいハーモニーが絶妙で、パリパリと小気味良い食感も手伝って、次から次へといくらでも食べられてしまうのがヤバい!

私が好きなお菓子だと知っている夫が時々買ってくるのですが、見てしまうとつい食べたくなり、食べ出してしまうとなかなか止められなくなる、本当にヤバいお菓子です。

今日もまた、袋に入っていた分を全部食べ切ってしまいました……。

ダイエット中の方は、最初から雪の宿には近づかないことを強く強くオススメします!

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宮崎に行くと書いたメルマガに、

“飛行機で行くならぜひ「宮崎空港のネオンサイン」を見てきてください。できれば夜に。”

とメールをいただきました。

“宮崎空港は通称(!?)「ラブホ空港」と呼ばれていて飛行機マニアには人気のある空港なんです。
もちろん良い意味でそう呼ばれているんですが、空港のネオンサイン(空港名表示)を見ると納得します。”

とのこと。

いったいどんな? と思ったら、こんな感じのサインでした。

明るい時間の写真ですが、なるほど、なかなかに色っぽいですね。(笑)

ありがとう, ショートストーリー, 恋するキモチ

左手にはめた時計を見ていると、今でも胸が高鳴ってくる。

誰も知らないけれど、これは、「彼」とお揃いの時計。
7年間の結婚生活の中ではじめてした、自分だけのための高額な買い物。

「彼」と会ったのは春のはじめ、重いコートを軽やかなジャケットに着替えた頃。

あんな出会いは、映画か小説の中でしかありえないと思っていたし、
ヒトメボレ、などという出来事が夫のいる自分の身に起こるとは、想像をしたことさえなかった。

忘れられない季節になったこの夏の出来事は、まるで夢のようだった。

全ての出来事が真実だった証は、今、左手で正確な時を刻んでいる、この時計。

「彼」は、よく買い物にいくドラッグストアの店長だった。

私は、いつものように特売の広告をチェックして、
今日のお買い得品を手に入れるため、開店時間に合わせて買い物に出た。

自宅から数分の距離を自転車で飛ばし、
先着数名分しかない特売品も買うことができて、上々の気分だった。

両手いっぱいの荷物をカゴや荷台に積み込んで自転車に乗り、
さあ出発と思った瞬間、突風が吹いた。

ガッシャーン!

突然のことにバランスを崩した私は、自転車ごと横倒しになり、
買い物した商品と、バックの中身を派手に撒き散らしてしまった。

その音に驚いて、店から走り出てきたのが、
春からこの店の店長に就いたばかりの、「彼」だった。

彼はすぐに私を抱き起こすと、怪我はないかと心配し、
恥ずかしさと自転車の当たった脚の痛みで、顔も上げられなくなっていた私の代わりに
全ての荷物を拾い集めた。

それから、ゆがんでしまった自転車を脇によけると、
「とりあえずこちらで休んでください」と、
私を抱きかかえるようにして、従業員用の休憩室に案内してくれた。

たくましい腕に、高級ブランドのシンプルな時計が似合っていた彼は、
ドラッグストアの店長というよりも、一流企業のビジネスマンといった雰囲気だった。

その上、ホストクラブでもナンバーワンになれるのではないかと思うほど、
女性の扱いが上手かった。

私の恥ずかしさが最小限で済むよう周りの人に気を配り、
ぶちまけた時に汚してしまった商品は、店員に指示して新しい物に取り替えてくれた。

脚の怪我を手際よく応急処置すると、
念のため、とタクシーを呼んで、病院まで送り届けてくれた。

軽い打撲、という診断を伝えたときに見せた笑顔が、いつまでも心から離れない。

それは、もう、恋だった。

誠実で子煩悩な夫に、これといった不満があるわけではない。
愛しても、いる。

けれど、その笑顔にときめかなくなって、もうどれくらいたつだろう?

平凡な幸せと、無難な生活の中で、恋心は穏やかな家族愛に変わっていった。

それは、私にとってとても幸せなことだった。

それでも、ときどき、母でも妻でもない女性として、
何かとても大切なものを失ってしまったような気がすることがあった。

そんなとき、彼の笑顔に出会ってしまった。

翌日、休憩時間を使って彼が届けてくれた自転車は、きちんと修理がしてあった。

昼食は忙しくて抜くことも多い、という彼に、
「お礼」という名目で、私の作ったランチをご馳走した。

感激しながら食べる彼を見て、料理が得意だったことをはじめて誇らしく思った。

小一時間はあっという間に過ぎ、特別な話しや約束をすることなく、
彼は仕事に戻っていった。

それから……
ルーティーンワークの一つでしかなかった買い物が、一日のメインイベントになった。

着易さだけで洋服を選ぶことをやめて、自分に似合う色を一生懸命探すようになった。
メイクを研究して、これまで使ったことがないような色の口紅もつけるようになった。
少しでも、綺麗になりたいと思った。

ときどき、彼と話しをするチャンスがあった。

どんな話題にもついていけるようになりたいと思って、
ざっと読むだけだった新聞にも真剣に目を通すようになった。

そのうち、毎日彼のことばかりを考えている自分に気がついた。

少し気をそらそうと、やりかけのまま途中で放り出していた
通信教育のテキストを引っ張り出してきた。
勉強をしていると、少しだけ彼のことを忘れることができた。

何かが変わり初めていた。

袖なしのワンピースを着始めた頃、友人達から、
「最近綺麗になったね」とか、
「なんだか生き生きしてるわね」と言われるようになった。

事実、私の生活は輝いていた。
彼がこの街にいる、そう思うだけで毎日が楽しかった。

彼は、買い物の度に私に話しかけてくれた。

ときどき、ランチを一緒に食べた。

私も彼も、それ以上の出来事を望みながらも、
その気持ちを口にすることは、決してなかった。

そんな彼に、恋心はさらに深まった。

「忙しい」が口癖だった夫の帰宅が、すこしづつ早くなってきたのは、
いつ頃からだったろう?

夫から私に話しかけてくることも多くなり、
私は「彼」に抱いている恋心とは別のところで、それもまた好ましく思った。

夏も終盤に入った頃、突然、彼の転勤の噂を聞いた。

それを本人から直接聞いたのは、彼と最後のランチを一緒にとっていた時だった。

あと数十分で二度と彼に会えなくなると思うと、涙が溢れそうになった。

彼の腕で時を刻む時計の音が急に大きくなったような気がした。

彼に新しい連絡先を聞きたいという気持ちでいっぱいだったが、
とうとう、それを聞くことが出来なかった。

そして、彼も、自分から言い出すことはなかった。

初恋の終わりのような沈黙の中で、正確に刻む針の音だけが響いていた。

私の生活に、恋と、輝きと、変化を与えてくれた彼と、同じ時間を生きたいと思った。

もう二度と会えなくても、同じ時間を生きていると感じられるよう、
彼と同じ、あの時計を身に着けようと決めた。

貯めていたへそくりを全部おろして、その高価な時計を手にしたとき、
彼との淡い恋の思い出を、その中にみんな閉じ込めた。

時計の針が軽やかに時を刻んでいる。

もうすぐ約束の時間だ。

女性らしいスーツにも良く似合うこの時計は、前にもまして出番が多くなった。
なぜなら、この秋、私は就職したから。

通信教育のテキストをやり終えて、試しに受けてみた試験で、
インテリアコーディネーターの資格を得ることができた。

たまたま募集していた住宅会社のデザイン部に、すんなりと就職が決まって、
毎日は忙しくなったけれど、輝きは、さらに増した。

今日は、夫のたっての希望で、会社帰りに待ち合わせて一緒に食事することになっている。
もうすぐ、約束の時間。

今は、私の知らないどこかで暮らしている彼の腕でも、
この、同じ時計が、輝く時を刻んでいるにちがいない。

信号の向こうで、私に気付いて手を振っている夫が見えた。

こうしてみると、夫の笑顔も、まんざらじゃないと思った。

私は大きく手をふり返しながら、青になった信号を、夫の元へと渡り出した。

ショートストーリー, 未来は……

振り返ってみれば、あっという間だった。

25歳で結婚した夫は優しく、かわいい子どもたちにも恵まれた。

夫と喧嘩したり、子どもたちのことで悩んだり、
歳を重ねても働いている友人を見て、
主婦のままでいいのだろうか? と考え込んだこともあった。

でも、これで良かった。

平凡だったけれど、とても幸せな人生だったと思う。

今、私の手を握っているのは、きっと夫だ。
彼は、昔から温かい手をしていた。

「お母さん!」
私を呼んだのは長女だ。
長女は子どもの頃から良く通る美しい声をしていた。

もう50歳を過ぎているのに、声はまだ20代のようだ。

「おふくろ……」
どうやら、長男も来てくれているらしい。

こんなところに居て、仕事は大丈夫なんだろうか?

「ばあちゃん!」「おばあちゃん!」「ばっちゃん」
おやまあ、孫たちまで……。

そういえば、長男の息子は大学でなにやら難しい研究をしていたっけ。
何度も聞いたというのに、とうとう覚えられなかった。

長女の娘は音大のピアノ科で、
その弟は高校でサッカーをやっているはずだ。

どの子も皆、自慢の孫だ。

「おい、母さん!」

あなたったら、最後くらい名前で呼んでくれればいいのに。

もっとも、長女が生まれてからずっと私は“母さん”だったから、
今さら名前で呼べと言っても無理かもしれない。

笑ってみせたつもりだけれど、夫は気づいてくれただろうか?

その瞬間、握っている夫の手に力が籠った。

みんな、来てくれてありがとう。

あなた、あとのことよろしくね。

先に行って待っているから、あとからゆっくりきてちょうだい。

「おい、母さん!母さん!!」

モニターの波形が完全にフラットになって、
医師が静かに臨終を告げた。

「……というのが、1番人気の『家族に囲まれて』です。

当社でも、意外だったのですが、
ゴージャスな『オテル・エルミタージュ・モンテカルロで』や、
ドラマチックな『青い地球を眺めながら』や、
ロマンチックな『2人だけの夜に』よりも選ばれる方が多いのですよ」

担当者はダイジェスト版の臨終シナリオを再生し終えると、
にこやかにそう言った後、

「もちろん、登場人物をお好きな名前で呼んだり、
年齢や職業を変えてカスタマイズすることも可能です」

と付け加えた。

どんな怪我も病気も治せるようになり、
長い間憧れていた“不死”を手に入れてしまった人間は、
人口増加による様々な問題を解決するために、
脳だけをデータ化して生きる道を選んだ。

生きているのは脳だけであっても、
脳さえあれば、体を持っていた時代の人間と同じように、
全てをリアルに感じられるのだから、別に問題はない。

ところが、そうしてなおも生き続けるうちに退屈を覚えた人間は、
かつてあれほど忌み嫌っていた“死”に憧れるようになった。

今や、セレブたちの間で、死ぬことは大ブームだ。

もちろん、臨終シナリオを一度選べば、
もう、元には戻れない。本当の死を経験できる。

死に至る臨終プログラムは、
10種の中から好みのシチュエーションを選ぶシステムだ。

フィクションの中にしか存在しなかった臨終を、
もうすぐ経験できる期待に胸を膨らませながら、
私は、プログラムをオーダーした。

「『家族に囲まれて』でお願いします 」

ショートストーリー, 切ない記憶

[大変、助けて!]

日曜の昼下がり、ゴルフ番組を見ていると、妻から携帯にメールが入った。

なんでもちょっと大げさな妻のこと、「大変」と言ったって、
メールで伝えてこられる程度の問題だし、そんなに切羽詰まったことでも無いだろう。
そう思いながらも、一応は、[どうした?]と返信してみた。

[自転車の鍵、失くしちゃったの、(^-^;…]

どうせそんなことだろうとは思ったが、鞄を全部ひっくり返して、何度もあたりを探したあげく
動かすことの出来ない自転車の前で半べそをかいている妻を思うと、少し可哀想になった。

行ってやるか。

工具箱を開けて、鍵を壊すのによさそうな道具を2つ3つ選びながら、ふと、遠い昔の記憶が蘇った。

そういえば、あの時も……

あれは、俺が中学生のころ、学校帰りによく寄っていた本屋の駐車場だったと思う。

「あの…… 高橋くん、助けて欲しいことがあるの……」

今にも消え入りそうな声で、控えめに話しかけてきたのは、宮内順子。
清潔そうな長い髪をした、おとなしくてあまり目立たない女の子だった。

「自転車の鍵、落としちゃったの」

それは、宮内順子と挨拶以外で初めて交わした会話だった。

「落としちゃった? じゃあ、ここまでどうやって来たの?」

「自転車で……」

宮内順子は顔を真っ赤にして、今にも泣き出してしまいそうだった。

それほど大きな店ではないから、ちょっと探せば出てきそうなものだが、
彼女の顔つきを見ると、もう、万策尽きたという感じで、助けてやらないわけには行かなかった。

「一生懸命探したんだけど……」

宮内順子は、どの言葉も語尾が消え入るような話し方だ。
これ以上の質問は拷問に近い気がして、彼女の自転車が動くようにしてやろうと思い、
あたりにあった大きめの石を手にとった。

鍵を壊している間、宮内順子は隣にしゃがんで、俺の手元を見詰めていた。
長い髪が風に揺れる度、ふんわりといい匂いがした。

俺はだんだんドキドキとしてきて、少しでも早く鍵を壊そうと、石を持つ手に力が入った。

ガンッ!

やっと鍵が外れて横を見ると、ホッとしてにっこりと笑った宮内順子の横顔があった。

こいつ、近くで見るとけっこう可愛いんだな……。

真近で見た宮内順子の横顔は鼻筋がすっと通り、
少し下がった目じりを外を向いてはねた睫が縁取っていて、
目立たない印象とはうらはらに、華やかささえあった。

そういえば、横顔が美しいのが本当の美人、だなんて聞いたことがあるな、
そんなことを考えながら宮内順子を見ていると、視線に気付いた彼女がこちらを向いて、
また真っ赤になりながらお礼を言った。

「高橋くん、ありがとう……」

その日をきっかけに、俺たちは急速に仲良くなった。

自分で言うのもおかしいが、俺は昔から良くモテて、
いつもクラスの中心にいるようなタイプだった。

そんな俺が、あまり目立たない宮内順子と一緒にいるのを、
クラスの仲間は不思議に思っていたようだ。

とくに何かを打ち明けあったわけではないが、
昼飯を一緒に食ったり、ときどき一緒に帰ったりした。

そんなことがひと月ほど続いたある日の昼放課、
宮内順子がいつになく真剣な顔で俺のところへやってきた。

手に封筒を持っている。

あの語尾の消えていく話し方で、
「高橋くん、これ、読んでほしいんだけど……」
そう言って、持っていた花模様の封筒を差し出した。

手に取って中を開けようとした瞬間、後ろから悪友の声がした。

「おーっ!高橋が宮内からラブレターもらってるぞー!」

教室中に響き渡るような大きさで叫んだ悪友の声で、
部屋に居た全員がこちらを振り返った。

俺はたまらなく恥ずかしくなって、宮内順子に封筒をつき返すと、
悪友達と一緒に教室の外に出てしまった。

真っ赤になってうつむいたまま、唇を噛んでいた宮内順子の横顔を、
今でもはっきりと思い出すことができる。

あの封筒の中身はいったいなんだったのだろう?
もし本当にラブレターだったとしたら、どんなことが書いてあったのだろう?

おとなしい宮内順子が、勇気を振り絞って渡したはずの大切な封筒を、
あんなふうにつき返してしまったことを、どう謝ったらいいのかわからず、
その週は彼女に話しかけることができなかった。

連休を挟んで3日ぶりに登校すると、彼女は学校に来ていなかった。

宮内さんはお宅の事情で突然転校することになりました。と先生が告げたとき、
俺はかなり動揺した。

鍵が外れたときの嬉しそうな横顔と、封筒をつき返したときの悲しげな横顔が、
交互に思い浮かんできて、その日は何も手につかなかった。

宮内順子、今頃どうしてるかな?

あの可愛らしい横顔で、食事の支度なんかをしている様子が、
まるで見たことでもあるようなリアルさで思い浮かんだ。

作った料理を美味しいと言ってもらえるかどうか心配で、
食べている男の口元を、息を詰めて見ている横顔が見えたような気がした。

なぜか、軽い嫉妬を感じた。

自分の妄想に嫉妬するなんて、と苦笑していると、
甘い感傷から呼び戻すように、再び携帯電話が鳴った、
今度はメールでなく、妻からのコールだ。

「ね、あなた、助けに来てくれる?」

明るいけれど甘えるような、語尾のはっきりとした話し方で、良く通る妻の声。

「仕方ないな、休日出勤は高いぞ」

笑いながらそう答えると、ホッとしている妻の横顔が思い浮かんだ。

長いまつげが美しい妻の横顔には、無邪気な笑みが広がっているだろう。

あの日、俺の心に焼きついた女の子のプロフィールは、
そのまま、妻選びの基準になっていたのかもしれない。

記憶と想像の中の宮内順子に別れを告げると、俺は妻の待つ駅へと急いだ。

ショートストーリー, ベリーショートストーリー

昔、二八そばとか夜鷹そばとか言って、往来を流して売っていた頃のお噺。

男がそば屋を呼び止めてそばを食い、さんざんそば屋にお世辞を言って、
代金を払う時にこう言った。

「いくらだ? 十六文か、それじゃ、銭がこまかいよ。
1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ…… 今なんどきだ?」

そば屋は反射的にこう答える。

「はい、9つで」

男はすかさず続けて、

「とぉ、11、12、・・・・・・・はい16文」

と、うまく一文ごまかしてしまった。

それを見ていた少し足りない男が自分もやってみようと、
次の日、細かい銭を用意してそばを食った。

勘定になって、先の男と同じように

「いくらだ、十六文か、それじゃ、銭がこまかいよ。
1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ」

「今なんどきだ?」

「はい、4つで……」

足りない男はそのまま続けて、

「5つ、6つ、7つ、・・・・・・・・・・」

半べそをかいて銭を払う足りない男を見ていた先の男は、
その翌日もう一度、別のそば屋を呼びとめた。

勘定になると、前と同じように小銭を出してこう言った。

「いくらだ? 十六文か、それじゃ、銭がこまかいよ。
1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ…… 今なんどきだ?」

「へい」と返事をしたそば屋は、心得たとばかりに男の前に腕を出し、
太い手首に輝く自慢のロレックスを見せた。

ショートストーリー, 世にも奇妙な物語

彼女はひとりで湯船につかって、先日の同窓会を思い出していた。

20年前は皆同じ学校に通っていたというのに、
今はそれぞれ、ずいぶん違った人生を歩いている。

医者の奥様になって、優雅な生活を送っている旧友や
部長の肩書と部下を持って、バリバリ仕事している旧友や、
昔の夢を実現して、夫と一緒にお店を持ったという旧友もいた。

それに比べて自分ときたら、平凡なサラリーマンの妻で、
毎日変わり映えのない生活を送っている。

考えてみれば、1年前の今日も、3年前の今日も、5年前の今日も、
今日と同じような1日を過ごし、こうして湯船につかっていたように思う。

「はぁ」

バスルームの湯気を見つめながら、彼女は小さくため息をついた。

もしも過去に戻ることができたら、
こんなふうにため息なんてつくこともなかったかもしれない。

そのとき……

「あっ」

ふっと目の前が白くなった。

「う……ん……」

はっと我に返った彼女は、なぜだか小さな違和感を感じた。

どれくらい経ったのだろう?

ずっと湯船にいたはずだけれど、のぼせたような感じはないから、
たいした時間ではなかったに違いない。

だが、さっきまでとは何かが違う……

何がどう違うのかはわからないのだけれど、なんとなく違うのだ。

少し考えてみたが、わからない。

バスルームを見回しても、これといった違いはない。

「疲れてるのかな?早くあがって寝なくちゃ」

彼女は湯船から出ると、違和感を感じたことなど忘れたように
いつものシャンプーを手に取った。

「彼女、まだ気づいていませんね?」

髪を洗う女性の様子をモニターで見ながら、背の高い女神が言う。

「そうね、せっかくのチャンスなのに、主婦って鈍感なのかしら?」

少し呆れた表情で、背の低い女神が言う。

彼女はバスルームから出てパジャマを着ると、
髪を乾かして自分のベッドに入ってしまった。

湯船で感じた違和感の意味を、深く考えることも、確かめることもしないまま。

じっくり鏡を見てみれば、目じりの皺がないことに気づき、
キッチンにはまだ新しい冷蔵庫があって、
タンスの中の洋服が違っていることもわかったはずだったのに……。

「せっかくご希望の過去に戻してあげたのにね」

「8年も前に戻っても気づかないなんて、
いったいどれだけ変わりばえのない生活続けてるのかしら?」

「このチャンスは別の人にあげましょう」

そう会話するのは、時をつかさどる女神たち。

過去に戻ってやり直したいと口にする人間をランダムに選んで、
時折、そのチャンスを与えている。

ところが、ほとんどの人間は、そのチャンスを掴むことができない。

それは、いざ、そのチャンスに恵まれると、
多くがあり得ないと否定したり、やっぱりいらないと辞退したり、
彼女のようにチャンスに気づこうとさえしなかったりするから……。