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おめでとうを100回

2018/01/17

「明けましておめでとう!それから、お誕生日おめでとう!」

「……」

「どうしたんだい?」

「今頃、なによ……」

「そうだね、ちょっと遅いよね……」

「ちょっとどころじゃないわよ、何日だと思ってるのよ!?
それに、ちっともおめでたくなんかないわよっ!人の気も知らないで!!」

「ごめんね、もう少し早く来たかったんだけど、
お正月はやっぱり出づらくて……」

「クリスマスのデートだってざるそばとか食べてたし、
これまで季節感なんて全然気にしなかったくせに、
都合のいい時だけそんなこと言って!」

「ね、もう機嫌直してよ?」

「……」

「ねえってばさぁ。……よーし、それなら……」

「……キャハッ。キャ。ハハ、ハハハハハ!アハハハハ!
ずるいわよ、くすぐるなんて!」

「やっぱり笑った方がかわいいよ。ほら、涙を拭いて。
……あれ?その時計……僕が隠しておいたプレゼント、見つけたの?」

「あんなところに隠してあったら誰でもすぐ見つけちゃうわよ!
もう少し他に考えられなかったの?本当にもう……
あなたって、頭いいくせに抜けてるんだから」

「ごめん、でも、見つけてくれて良かったよ」

「ちっとも良くなんかないわよ!
……あなたから渡してほしかったに決まってるじゃない!
どうして……うっ……。」

時計をつけたまま眠る君を、僕はずっと見つめている。

もし、今君に声をかけたら、こんな会話になるんじゃないかって想像しながら。

起きている時は怒ったり笑ったり泣いたり忙しい君だけど、
眠っているときはおとなしくて可愛い。

もっとも僕は、起きている君も眠っている君も、
同じくらい愛してるけど。

誕生日がお正月だと、一緒にされて損した気分だって言ってたから
これからはちゃんと別々にお祝いするつもりだったのに、
こんなことになっちゃってごめんね。

本当はずっと、君のことを見守っていたいよ。

でも、もういかなくちゃ。

だから、せめて、君と一緒に過ごすはずだった
50年分の「おめでとう!」を、今のうちに言っておくよ。

大好きな君が、僕がいなくても幸せでありますように。

おめでとう!おめでとう!おめでとう!おめでとう!おめでと……

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