僕はひつじ。
さきちゃんは僕の命の恩人なんだ。
僕はあともう少しで、燃え盛る火の中に投げ込まれる運命だった。
でも、さきちゃんが涙を流して、僕を助けてとお願いしてくれたんだ。
お願いは聞き入れられて、僕は黒こげにならずに済んだ。
僕はさきちゃんが大好きなんだ。
さきちゃんはとても優しくて可愛い。
さきちゃんのママは、さきちゃんが泣き虫だって心配してるけど、
僕は、さきちゃんがすぐに泣いてしまうのは優しすぎるからだ、って知ってるよ。
僕は今、さきちゃんの部屋のタンスの上で、
大好きなさきちゃんが、毎日泣いたり笑ったり遊んだり勉強したりしてるのを見てるんだ。
僕はひつじ。
さきちゃんとお友達が、幼稚園の作品展で、一生懸命作ってくれた、
紙と毛糸でできたひつじ。
これからもずっと、さきちゃんと一緒だよ。