「うわあああああ!またやっちゃった!」
僕の彼女はとても可愛い。
でも、救いようがないほどのドジ。
今も、ほら、僕のためにチョコケーキを作るんだとか言って
砂糖をみんなひっくり返した。
呆れてものが言えないけれど、
必死になってるその姿が可愛くて、
まあいいか、って思うんだよね。
今日のチョコケーキはお砂糖抜きかな?
彼女が今ひっくり返したお砂糖は、下の世界に落ちて行っちゃった。
「あっ!雪?」
彼女が空を見上げて言った。
空は晴れてるというのに、キラキラ光る白いものが舞い降りてくる。
「光ってて、きれいね」
「うん、きれいだね」
僕は、君のがずっときれいだよ、と心の中で思いながら、
彼女の言葉に同意した。
そして……
「寒いね」
彼女をぐっと引き寄せる良い口実ができたことを
白い雪に感謝した。
ふふ。
僕の彼女は、救いようがないドジ。
でも、ぼくだけじゃなくて、下の世界の人たちまで
ちょっと幸せにしてるみたいだ。
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