1歳を過ぎる頃まで、私は娘を叱った記憶がほとんどありません。

友人の間でも、優しくて怒らないママで有名でした。

なぜなら、私はその頃、赤ちゃんには怒ってもわからないと思っていたからです。

相手は怒ってもわからない赤ちゃんですから、何かをさせようなんて最初から無理と考えていたのです。

少々ものをこぼそうと、壊そうと、ちっとも腹が立ちはしませんでした。

ところが、です。そんな穏やかなママだったのは昔の話。

今は毎日のように、大きな声で叱っています。

「きちんとしなさい!」「早くしなさい!」「お片づけしなさい!」

最近しっかりしてきた娘に、過度の期待を持ってしまっているからでしょうか?

これくらいはできるはず、もっと早くできるはず……

知らず知らずにそんな思いが言葉になって、「~しなさい!」と言ってしまうのです。

そんなときの自分はどんな顔をしているのでしょう?

きっと、まゆがつり上がった怖い顔なのでしょう。

あんまり頻繁に言うものだから、娘はさして気にもとめず、行動しようともしません。

そうなると私は追いうちをかけるように、さらに大きな声で言ってしまうのです。

「~しなさい!!!」

そして今日もまた、そんなふうに怒鳴ってしまった自分を反省するのです。

娘が服をびちゃびちゃ、床をベタベタにして、ひとりで食事する様子を、にこにこ笑って見ていたあの日。

何年か前の私にもう一度戻れたらいいのに……。

もし、あなたが「~しなさい!」と言うことなくお子さんを見守っているなら、是非そのコツを教えてください。