恋愛

終点

「いよいよ梅雨だな」 低く垂れ込めた雲にむかって大きくひとつ伸びをすると、孝夫は...

美しい風景

このまま時が止まってしまえばいいのに…… 心からそう思った瞬間、本当に時が止まっ...

チャンス

ウインドウショッピングするくらいなら、筋トレしていた方がいいという、運動オタクの...

SEPTEMBER

カレンダーをめくって、SEP.の文字を目にすると、響子は反射的に微笑んだ。 ２０...

大切な物がなくなるとき

ガシャーン！ トレイから滑り落ちたカップやお皿が、お互いにぶつかりあって派手な音...

薄紫色の約束

「ミドリ、ことしもジャカランダのハナがサイタよ」 携帯電話から響く彼の声を聞きな...

秋

「おはよう、澄香」 眠気を覚ます珈琲を飲みながら、キッチンカウンターに置いたまま...

思うままにしてよし

初老の男が、夜更けの路地裏で何かを探している。 ビルとビルの隙間からのぞいた青い...

真珠の涙、ダイヤモンドの微笑み

「涼子さんって、昔から素敵な女性だったわ。」 僕の方を見ないで話す可奈の目からは...

真実

リムジンを降りてロビーに立つと、心地よいブラームスが体を包み込む。 ドア一枚で喧...