「ねえ、パパ、あれどうなっちゃったの?」
神様の子供は、荒れ果てた地球を指差して言った。
「ああ、お前が寝ている間に全部壊れちゃったんだ」
神様は面倒臭そうに行った。
「あんなにいろんなものがあったのに、全部なくなっちゃったの?」
神様の子供は驚いて目を見張った。
「そうだよ。自分達が作った爆弾で全部吹っ飛ばしてしまったんだ」
「全部?」
「そう、全部」
「えー?僕、地球の観察日記つけてたのに、あんなになっちゃったら困るよ」
「仕方ないだろう、パパがやったわけじゃない。他の星の観察に変えればいいじゃないか」
「やだよ。地球がいいんだ。ねえパパ、地球の時間を少し戻してよ」
「人間はバカだからそんなことしたってまた同じことをすると思うんだけど……
しかたないなあ、お前がそこまで言うんなら、一度だけ戻してやるか」
「わーい!これで、観察が続けられるぞ」
神様が時間を蒔き戻して、地球がまた緑になるのを見ると、子供は嬉しそうにはしゃいだ。
ところが……。
それからしばらくしたある日、子供が、また、神様に地球の時間を蒔き戻して欲しいと言いにきた。
「ダメだよ、一度だけ、って言っただろう。
それに、別に壊れてもいないし、人間も生きてるじゃないか」
「だってえ、この前せっかくパパが緑に戻してくれたのに、今度は腐ってきちゃったんだ。ほら!」
子供は浮かない顔で、地球の変色した部分を指差した。
「だから時間なんて蒔き戻してもしかたないって…… ふぁーあ」
神様は、あくびをしながら、変色した地球を面倒臭そうに見やった。