宇宙を旅して回っている旅行家が、ある星に降り立ちました。

その星の地上には、大小さまざまな都市があった形跡があり、
かつて、かなり高度な文明が開けていたことがうかがわれます。

ところが、生命体らしきものは全く見当たらず、
どんな生き物が、この文明をつくりあげたのか?も、
それらの生命体がなぜ滅びてしまったのか?も、
想像がつきません。

旅行家が、星をあちこち探っていると、頑丈な素材で作られた
小さなドアが見つかりました。

開け放たれたそのドアからは、地中へと道が続いています。

好奇心に駆られた旅行家は、そのドアから中へ入り、
地中へと続く道を下っていきました。

実は、こうしてドアの奥へと進んだのは、
この旅行家が初めてではありません。

でも、一度中に入って行って、戻って来た者はいません。

ドアのそばには、こんなメッセージが刻まれていましたが、
はるか昔の、その文字を、この旅行家もまた、
解読することはできませんでした。

ここは21世紀に処分された放射性廃棄物の埋蔵場所です。
安全な所に保管する必要がああります。
決して入らないでください。

放射性物質は危険です。
透明で、においもありません。
絶対に触れないで下さい。

地上に戻って、
我々より良い世界を作ってほしい。

近づかなければ安全です。

幸運を。